5歳児で多動が気になったらチェックリストを見てみましょう。
チェックリストとは、一般的に多動と言われるお子さんの判断基準としていろいろな専門家が作っているものもありますが、実際に検査を行い、診断をされる際には、ADHD-RS-IV(世界共通の診断基準 DSM-IV )という評価スケールが使われます。
5歳児で多動が気になったらチェックリストを見てみよう!
では実際のADHD-RS-IV(世界共通の診断基準 DSM-IV )にはどのような項目があるのか見てみましょう。
多動の診断に使われる評価スケールADHD-RS-IV
以下が実際に診断時に使われる評価スケールです。
- 園の勉強で、細かいところまで注意を払わなかったり、不注意な間違いをする
- 手足をそわそわ動かしたり、着席していてもじもじしたりする
- 課題や遊びの活動で注意を集中し続けることが難しい
- 授業中や座っているべきときに席を離れてしまう
- 面と向かって話しかけられているのに聞いていないようにみえる
- きちんとしていなければならないときに過度に走り回ったりよじ登ったりする
- 指示に従わず、またやるべき仕事を最後までやり遂げない
- 遊びや余暇活動におとなしく参加することが難しい
- 課題や活動を順序だてて行うことが難しい
- じっとしていない、または何かに駆り立てられるように活動する
- 精神的な努力を続けなければならない課題(勉強や宿題など)を避ける
- 過度にしゃべる
- 課題や活動に必要なものをなくしてしまう
- 質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう
- 気が散りやすい
- 順番を待つのが難しい
- 日々の活動で忘れっぽい
- 他の人がしていることをさえぎったり邪魔したりする
この項目に対し、「ないもしくはほとんどない」「ときどきある」「しばしばある」「非常にしばしばある」という4段階で評価し、その他さまざまな診察や検査があって多動であるかどうかの診断が出ることになります。
普段の生活で落ち着きがないという場合は元気な証拠?
このスケールからもわかるように、単純に元気活発というだけでは多動であるという診断にはなりません。
集中することが難しい、集団行動の場面でひとりだけ動いてしまう、いろいろなところに気が散るなど、特徴的なところがあります。
また、親がいない場面でどう過ごすかなど、見えないところもありますので、このスケールだけで多動であるかどうかを判断することは難しいでしょう。
5歳児で多動が気になったらまずは相談してみよう
5歳児で多動が気になったら、まずは専門機関や身近な場所に相談してみることをおすすめします。
保育園や幼稚園
一番身近なところでは、保育園や幼稚園など、通っている園の先生に相談してみてはいかがでしょうか。
乳児の頃とちがい、連絡帳にもほとんど何も書かれなくなる年中や年長。
送迎時には問題なく見えているけれどどうも心配ということがあるでしょう。
園によっては「みんな違ってみんないい」というような、子供のお困りごとを「絶対に言わない」という園もあるにはあります。
また、「もう少し様子を見てもいいかも」と言われることもあると思います。
しかし、園に相談することで普段の園での様子をしっかり教えてくれる場合もありますし、訪問支援というサービスもあるので、そちらを園からお願いしてもらうことができます。
訪問支援は、発達障害などに詳しい専門家が園に来て、子供たちの全体の様子を見ながら、指定の子供の周りとのかかわり方や様子などを見て、アドバイスをしてくれるものです。
どの園でも行ってもらえるものなので、園に伝えてみるというのもひとつです。
小児科・療育センター
次に、かかりつけの小児科があれば、小児科に相談してみるのもいいでしょう。
ただし、小児科は専門の医師などがいない場合もあり、療育センターや専門の病院などを紹介されることもあります。
小児科以外にも児童精神科・小児神経科や発達外来という名前の科がある場合は、そちらで検査をしてもらえることもあります。
お住いの自治体に「療育センター」がある場合は、療育センターに直接連絡し、予約をとってから診察を受けます。
療育というと少しハードルが高い感じも受けますが、こちらも病院で、子供の発達に関わる様々な診察・診断・訓練を受けることができます。
実際、私の娘の場合は、多動傾向があり相談に行ったのですが、それ以外にも「か」行や「さ」行がまだうまく発音できないということがあり、一緒に相談することができました。
すると、同じ療育センター内で言語聴覚士さんによる診察や訓練を行っていただくことができ、とてもスムーズでした。
多動意外にも気になる面があれば、療育センターに相談されることをおすすめします。
発達障害・グレー児におすすめ!スケジュール管理ボード
スケジュール管理が苦手な発達障害・グレーの子には、視覚でわかるスケジュール管理ボードがめちゃくちゃおすすめです。
娘もやることを後回しにしてしまったり、日にちの概念や「きょう・あした・あさって」などの感覚、明日は何曜日ということが理解できていませんでした。
このスケジュール管理ボードを使うようになってからは、やるべきことが理解でき、マグネットを移動したいがために(笑)、すぐに取り掛かるということができるようになりました。
また、「あと〇回寝たらお休みだね」と、自分で理解できるように。いろいろなタイプがありますが、必要なことがぎゅぎゅっと詰まったこのタイプが娘にはぴったりでした。
5歳児で多動が気になったら早めに相談したほうがいい!
実際に園や病院の先生方に言われたのは、年中から年長の小学校に入る前の段階で支援や訓練を行うことで、子供の困っていることをぐっと改善できる可能性がある、ということです。
発達障害という言葉はどうしても認めたくない、という気持ちもあるかもしれませんが、その名前がどうあれ子供の個性であり、その個性が子供自身にとって過ごしにくいものになっているかもしれません。
早めにその個性に気付いてあげて、その個性に合わせた声掛けや行動をすることで、子供が活き活きと楽しく生活できるようになる可能性があります。
また、小学校に上がる際に、通常級か支援級かということも考えることがあると思います。ギリギリになって診断をと思ってもなかなか病院の予約が取れないということもありますし、子供の成長する機会を遅らせてしまうということもあります。
小学校・中学校と子供が伸び伸び過ごせるように、気になることがあれば早めに相談し、子供自身のためにどうしてあげるのがいいのかをゆっくりと考える時間ができるといいですね。