2023年現在、ADHDの5歳女児を持つ私が、ADHDの子供が得意なことについてまとめています。
もちろん、子供によっていろいろな個性がありますから、差はありますが、保育園、療育センターや児童発達支援などで専門家から聞きながら、また、それを自身も実践したうえで、ADHDの子供に対してどのように接することで個性を大切にしながらいいところを伸ばせるかを考えてみました。
少しでも参考になれば幸いです。
ADHDの特性
ADHDは、注意欠陥・多動性障害の略称で、神経発達障害のひとつです。
ADHDの特性は、「多動」「集中力が続かない」「注意欠陥」「衝動性」が主なものになります。
・思い立ったこと、目についたものに飛びついてしまう
・他人の話を遮ってしまう
・落ち着きがなく、座っていることが難しい
・時間の管理が難しい
・忘れ物が多かったり、時間を守るのが難しい
3~4歳ぐらいまでは年齢的なものもあり、こういった特性が見られてもADHDであるかどうかを判断することは難しく、娘の場合も「どうかな?」と思ってはいましたが、実際に検査を行ったのは5歳になってからでした。
また、娘は特に「多動」「衝動性」という特性が強く、目についたものに飛びついてしまう、他人の話を遮ってしまう、テンションが上がると止められない、といったところはありますが、内容によっては長く集中して座っていられたり、忘れ物はしない(むしろものすごく記憶力がいい)、道路に飛び出してしまうなど注意欠陥についても特に気になることはありません。
このように、ADHDといっても、同じように特性が出るわけではなく、何が強く出るかは人によって違うのだそうです。
娘は5歳0か月で療育センターで検査を行い、ADHDと診断されましたが、とてもたくさんの検査項目があり、どの傾向が強いかといったところをしっかりと調べてもらうことができます。
ADHDの子供が得意なこと
さて、では、こういった特性をもつADHDの子供たちは、どういったことが得意なのでしょうか。
複数名の専門家から聞いたこと、また、自身の子供を見ていて感じることをご紹介します。
もちろん、子供たちが得意なことも、個人差によって異なり、全ての子供に当てはまるわけではありません。
以下は、一般的にADHDの子供たちが得意とする可能性のある分野です。
・独自の発想やアイデアを持っており、アートや音楽などの才能に長けている。
・活動的でパワフルな面があり、スポーツなどで才能を発揮することも。
・感受性が豊かで、共感力が高く、他人との関わりやコミュニケーションが得意。
・チャレンジ精神が豊富で新しいことを見つけたり行ったりするのが得意。
・興味を持ったことには集中し、高いパフォーマンスを発揮する。
ひとつ前に述べたように、「特性」と言われるものはどちらかというとマイナスな面で捉えたものになりますが、その裏返しで考えると長所もたくさんあるんです。
ADHDと診断された娘の場合も、「特性」の部分ではマイナスに捉えがちですが、
・絵がとても上手で人とは違う色合いを使ってきれいな絵を描く
・とにかくパワフルで疲れしらず。疲れてぐずるということがほぼない。
・保育園のお坊さんのお話でひとり涙を流すほど感受性豊か。心配になるほどに優しい。
・誰にでも話しかける。楽しませたいという気持ちでいっぱい。
こういった面があります。余談ですが、先日5歳で初めてディズニーランドに連れて行ったんですが、朝10時から夕方18時ごろまでほぼ自分の足で並び、歩き、泣き言を言わなかったことには驚きました。ADHDパワフル最高!って思っちゃいました(笑)
また、マイナスに考えると「空気を読めない」というのもありますが、娘の場合は誰にでもにこにこと話しかけ、知らない小さい子にも話しかけてあげたり、杖をついている高齢者に「大丈夫?カバン持ってあげようか?」と話しかけられる子。
そのため、住んでいるマンションでも、地域の皆さんにもかわいがっていただいています。
「明るくて天真爛漫な子」と映っている様子。いつまでもそうはいかないと思いますが、そういう感覚で見ていただけるのは助かります。
抑えつけるのではなく特性に合わせた声かけ
もちろんすべてがうまくはいきませんが、ADHDの子は、叱ってもなぜ叱られているのか、何が悪いのか理解できないということもあるそうです。
いろいろな専門家に聞いたうえで、できるだけこのように対応しています。
①質問(どうしてこの行動をするの?)
②理解(そうだったんだね。)
③提案(こうしてみようか)
ADHDの子だからというわけではないと思いますが、自分自身も楽しくてやっていること、楽しませようとやっていることを突然怒られると悲しかったり悔しかったりする気持ちになります。
楽しませようとしていた、ということを理解してもらい、こうしたらいいかもね、と提案してもらうというのは、具体的でいいなと私も思うようになりました。
娘も、この声掛けをやるようになり、一方的に怒られて委縮してしまうということはかなり減ったように感じます。
ADHDの元気で朗らかな部分が、怒られて委縮してしまうというのはもったいない!
いいところはしっかり伸ばしてあげたいですよね。
とはいえ私たち親も人間なので、どうしても声を荒げてしまうこともありますが…(苦笑)
じっとさせるのではなくわざと動かす
静かに座っていることが苦手なADHDの子。
「座ってて!」「じっとして!」いくら怒っても聞いてくれない。
できないんです。むずむずしちゃうんです。
保育園の先生の実践から、娘にぴったりだったのは「わざと動かすこと」
どうしてもむずむずしてしまうとき、娘には役割を作り、わざと動いてもらいます。
プリントを配る係。机を整頓する係。おうちでは、お皿を並べてお箸を並べて…
たくさんのタスクをお願いします。すると…
めちゃくちゃやる気になってくれるんです。
もちろん、静かにしないといけない乗り物の中などでは、そうはいかないこともありますよね。
例えば、「電車内の緑色を探してみて」「時計の針がここになるまでじっと座れたらすごいなぁ」
こういうのも効果的でした。
視覚で見れるものが得意
ただ「じっとして」「静かに」は、ADHDの子供は理解するのが難しいそうです。
すぐに忘れてしまう。いつまでなのかがわからない。
時間感覚や人の気持ちを理解するのが難しいという特性もここからきています。
娘の保育園では、「今は静かにするときです」ということがわかるように、「お口とじマーク」を、静かにしなければいけない時じゅう、掲示してくださっています。
これによって、「お口とじマーク」が出ている間は静かにするんだということが視覚で理解できているようです。
家では「スケジュールボード」を使用するようになりました。
日付や今日、明日の感覚がわからない。やるべきことを後回しにしたりすぐ忘れてしまう。
そういうことがぐぐぐーっと減り、マグネットを移動したいがためにじゃんじゃんタスクをこなしていきます(笑)
合う合わないは子供によってあるとは思いますが、我が家では大ヒット商品でした。
ADHDの著名人
ADHDを公表している有名人にはどんな人がいるんでしょうか。
スティーブ・ジョブズ
ウィル・スミス
黒柳徹子
Fukase(SEKAI NO OWARI)
さかなクン
なるほど!と感じる方もいらっしゃいますが、一見わからない方もいらっしゃいますね。
また、公表はされていませんが、イチロー選手もADHDだと専門家から聞いたことがあります。
皆さん、ご自身の特性・個性を活かし、しっかりと大成されています。
我が娘もさかなクンのように大好きなものに没頭して、楽しい人生を歩んでくれたらいいなと思っています。
まとめ
皆さんにあてはまるわけではないと思いますが、誰しも得意・不得意があります。
その子の不得意も見方や声掛け次第で得意に変わったり、長所になり得るところもあるのではないでしょうか。
試行錯誤の毎日ですが、子供にとっても私たち親にとっても楽しく素敵な人生が送れるよう、のんびりやっていきましょうね!