ADHDの娘が小学校に上がりました。まさに、小1の壁を感じた4月5月のお話をしたいと思います。
娘はとっても元気で陽気なかわいいADHD。
家で過ごすのには特に育てにくさを感じたこともないですし、たくさんの大人たちに可愛がってもらって育ちました。
しかし、楽しい・普段と違うときにはテンションが上がりすぎて動きすぎてしまったり、興奮してこちらの注意が聞けなくなることも。
また、なんにでも興味をもち、飛びついてしまう衝動性が強いタイプです。
これまであまり危険を感じるということはありませんでしたが、このテンションや衝動性、集中力のなさなどがお友達とうまくいかなかったりということはありました。
そんな娘も保育園時代は楽しく過ごし、ついに卒園、小学校入学。
今は入学して2ヶ月経過時点で、まだまだ乗り越えてはいませんが、いろいろと工夫していることがあるので少しでも参考になれば幸いです。
ADHDの娘|小学校は普通級へ
まず、普通級か支援級かという面で、正直悩みましたが、普通級に決めました。
私も周りも、「普通級で問題ないだろう」という考え。
ただ、もしも本人が普通級で難しい面があったり、本人が希望したら、支援級で全く問題ないと思っていました。
保育園に相談したり、「就学前相談」を利用して、実際に本人と一緒に学校を見学もしました。
支援級と普通級を見学してすぐに娘は「たくさんお友達がいるほうがいい(普通級)」。
お友達とうまくいく/いかない関わらず、お友達が大好きな娘。思った通りの答えでしたが、やはり普通級を選びました。
まずは普通級で様子をみて、何か難しいことがあれば学年が変わるタイミングでまた考えればいいか、という結論に。
ADHDの娘|小1の壁
さて、小学校に入学し、無事入学式は終わりました。
入学式などは、きちんと座れていたり、列を乱さず歩けたり、一緒に歌を歌ったりができ、問題なさそうだな、という印象でした。
そんな娘に徐々に「壁」が見えてきました。入学後2ヶ月間のことです。
授業中という概念がなく出ていってしまう
特に保育園から小学校に上がった子であれば、まだ授業や時間の感覚がなく、発達障害でなくとも混乱してしまう子も多いそうです。
小学生になった途端に時間が区切られ、トイレも自由に行けない(言えば行けるけども)、チャイムが鳴ったら座って、そのまま数十分間も座り続ける。
自分自身はできたのだと思うのですが、普通に考えたら大変なことですよね。
1年生の1学期は、ふら~っと出ていってしまう、立ち歩きをしてしまう子どもは多いそうです。
しかし、多くの場合、「今は出て行ってはいけない時間だよ」と言われると、その通りにできます。
「先生に言ってからトイレに行こうね」と言われたら、きちんと先生に伝えてから出ていくでしょう。
さて、娘はできなかった。
入学して2週間の間に、2回、教室から出て行ってしまった、いなくなって教員総出で探したということがありました。
1回目、本人が言うには「児童デイのお迎えがそろそろあるかな~と思って。それから落し物があったから届けようと思って」
何かを考えて、とっさに体が動いてしまったのでしょう。無事、校門近くで確保されましたがw、先生本当にごめんなさいm(__)m
2回目、先生に言わずにトイレに行ってしまった。娘はウンチが長いので、20分ぐらいトイレにこもっていることも。
「あれ?いない!!」となって大捜索しようとしたところ、トイレからのほほ~んと出てきました。とのこと。
先生から電話がかかってくるたびに、平謝りで、心がキューンと痛くなりました。
集中力が続かない
これもADHDあるあるですが、集中力が続きません。
遊びに対しても、なかなかひとつのことに集中できず、あっちいったりこっちいったりでしたが、授業は本人にとって本当に苦痛だと思います。
しょっちゅう「保育園が恋しい」と言います。遊びがたくさんで、先生に抱っこしてもらえて、甘えたっぷりの保育園から、椅子に座る、先生に怒られる小学校は心がなんとも寂しく、本当に大変だと思います。
先生やお友達から聞いたところ、きょろきょろして先生のお話がきちんと聞けない、興味があるものに意識が飛んでしまう、体育の時間は砂遊びをしてしまう、など、とにかく先生や授業に集中できていない様子です。
そのため、怒られることも多いそう。ADHDの子どもは怒ることは逆効果になったり、自己肯定感を下げてしまうということで、私自身は危ないこと、本当にやってはいけないこと以外はできる限り怒らないように声掛けをする、と意識はしていますが、先生はひとりひとりの特性に構っていられないこともあります。
ドカーンと怒られて、泣きながら帰ってくる、家で思い出してシクシク突然泣くということもあります。
「勉強なんてできなくてもいい」という気持ちでいましたが、そうはいっても・・・というレベルのところ。
勉強ができるできないの以前に、このままでは授業も学校も楽しくない、苦痛だと感じてしまうのではという危機感があります。
登下校でママ友トラブル
そして最後が一番つらかった。(あまりないケースかも)
もともと保育園も同じで、お互いが一番の友達だった娘とAちゃん。
Aちゃんのママ自身が「私は発達がある」と公言していたので、それは仕方ないと思ってはいたのですが・・・
保育園時代は自転車で送迎し、時間もバラバラだったため、特にトラブルもなく、娘同士が仲が良かったため、両方の家庭を行き来するほどの関係でした。
Aちゃんはとにかく「いい子」。よく泣いたり、不安定感を感じることもありましたが、Aちゃんママが「だめだ」と思っていることは基本的にはしません。
一方、娘は活発で、興味関心が強い子なので、Aちゃんママにとって「だめだ」と思っていることも多々します。
当然私は「やめようね」「だめよ」注意をしましたが、私の注意に被せてAちゃんの両親も娘に「だめだよ!」「それはイヤだ!」と怒るのです。
私の目が行き届いていないならまだしも・・・。と違和感を感じ、毎回何をしても怒られる娘がいたたまれなく、少し距離を置き始めたところでした。
登下校。Aちゃんと娘はまったく同じ登下校ルート。「一緒に登下校しよう」ということになりました。
しかし、これまで公道を一緒に歩くということがなかったため、ここにきて娘のすべてにママ友が反応します。
私「危ないからよく見てね」
同時にママ友「娘ちゃん、危ないよ!」
これの連続。また、その場での二重の注意に加え、家に帰ってからもLINEが届くように。
「毎日言い聞かせてると思うけど、本当に危ないから、くれぐれも娘ちゃんに伝えておいてね」
他のママ友からはそんなふうに一挙手一投足注意を受けることもなく、「元気で明るい子」と言ってもらえる娘。
危なっかしいところはあるけれど、私も毎日たくさん言い聞かせ、ドアには注意を促すイラストを貼って一歩一歩頑張っているところ。
毎日毎日登下校のたびに娘をママ友に怒られ、LINEがきて、それでなくても学校内のこともあり自分も娘も一生懸命なのに。
「よそ見をしないよ!立ち止まらないよ!たんぽぽの綿毛を吹くのやめて!カタツムリを探さず帰って!」
本当にノイローゼになりそうでした。娘のことではなく、娘に反応してくるママ友。
しまいには「ADHDの子に効果的に登下校のリスクを教えてくれる場所はないのかな?」とLINEがきました。
さすがに限界がきてママ友はやめましたが、登下校ルートは一緒だし、娘同士はめちゃくちゃ仲良し。かなり厳しい状態です(今も)。
ママ友の件はちょっと稀かもしれませんが、自分たちの足で公道を歩くようになるということは、こういうトラブルもなきにしもあらずなんだなということで。
発達障害を理解してくれない人からの目というのは、いかに冷たく、理解できないから仕方ないにしても、他の小1の壁を感じて一生懸命頑張っている私たちにとって、最も大きな壁になったのでした。
ADHDの娘自身は小1の壁をどう感じているか
こういった、親目線での小1の壁ですが、娘自身はどう感じているかというと、表には出さないけれど、めちゃくちゃストレスを感じている。です。
「疲れた」という言葉はしょっちゅう口にします。
2ヶ月経過して少し減りましたが、1か月目は夜泣きというか、怖い夢を見て泣きわめく感じのアレが何度もありました。
また、元気すぎる、人は傷つけないけれど衝動性がある、あっちこっちに行ってしまう特性のせいで特定の友達が作りにくく、「ちょっと変な子」と思われている節もあり、「ともだちができない」と悲しんでいる姿も見ます。本人は友達大好きで、仲良くしたいのに。とっても切ない。
最後のママ友とのトラブルにより、子どもたちには「登下校は危ないから別々に行こう」と提案し、そのようになっていますが、少しAちゃんと気持ちが離れたり、どうしていいのかわからないと感じている様子を見るのも切ないし、本人はその理由をわかっていました。
「娘ちゃんがテンションがあがりすぎるからいけないんだね・・・。」と。
切ない。切ない。どうしてADHDの子どもに産んでしまったんだろう。それは思ってしまいます。元気で楽しくて、本当に大好きだけど、うまくいかないいろいろが本当にかわいそうで。。。
ADHDの娘の小1の壁に対して行った対策
落ち込んでいても何もなりません。毎日毎日思考錯誤しながら、いろいろと対策をしてみています。
いくつかご紹介しますね。
生活ボード
これは、保育園の年長時代にスタートしたものですが、生活ボードというものがあるのです。お支度ボードとか、スケジュールボードっていうのもあるみたいです。
①やらなくてはいけないことを理解するため
②自分で進んで支度ができるようになるため
③曜日感覚やスケジュールを理解できるようになるため
これを利用してから、順番に朝晩の「やること」を率先してやるようになりました。
また、今日は何日、明日は、昨日はという感覚や、明日は習い事がある、などのスケジュール感の理解にはつながったと思います。
1年以上利用していて、最近少しダレたのか、朝晩の「やること」はこのボードを意識しなくなってしまいましたが、日にちや曜日、スケジュールに関しては毎日確認しています。
がんばりノート
これは先生にご協力いただいてのことですが、普段の学校の連絡ノートとは別で、1日に頑張りたいことのリストを作り、それに対して先生に評価してサインしてもらうというものを作ってみました。
最初はこの3つの項目をノートに貼って、それに対して先生に〇△×を書いてもらうというもの。
先生に、お手数ですが。。。とお願いすると快く引き受けてくださり、当日中に電話がありました。
「がんばりノート」の効果、すごいです!めちゃくちゃ頑張ってました!と。
その後、先生が各時間をそれぞれ評価してくださり、コメントもくださるように。
本当にお忙しいのにありがたいですね(涙)。
継続中ですが、今日はこれができなかったんだな、娘とちゃんと話しておこう、という気付きにもあり、助かっています。
イラストによる注意喚起
がんばりノートも効果はあったけれど、短期的に集中力が切れてしまう娘、疲れてきたらどうしてもグダグダしちゃう。
でも、大好きなママのメッセージを思い出して欲しい。
そういう気持ちでこっそりとこんなメッセージを筆箱に潜ませました。
まず最初に「娘ちゃんはいい子 娘ちゃんはできる」と書きました。
この言葉、毎日毎日伝えていますが、娘にはとっても励みになるようで、「よし!頑張る!」と気合が入っています。
まだ数日なので持続性は?というところですが、初日は先生から「がんばりノート」に花丸をもらえるほど。
授業中に何度も見返して「頑張るぞ!」となっているようです。
きっとずーっとだとダレてしまうと思うので、ときどき内容を変えたりしながらやってみようと思います。
あなたはいい子 あなたはできる 大好き大好き!
ADHDの娘の小学校1年生の壁、いかがでしたか?
私は、思っていたよりも10倍大変でした・・・。
それでも毎日朝も夜も伝えます。「あなたはいい子。あなたはできる。大好き大好き!!」。
怒られて怒られて帰ってくる。頑張ろうと思ってもできない。なんで怒られるんだろう。そんな娘に、ずっと伝え続けていきたいと思います。
本当に思うんです。娘はいい子だって。娘はできるんだって。心の底から大好きなんです。
だから、娘の良さが人にも伝わるように、娘ができることが増えるように、自分のことを大好きだと思えるように、頑張っていきたいと思います。
ちなみに、通常言われる1年生の壁は下校時間の問題ですよね。ワーママにとって最大難関です。
これに関しては私がどのように解決?したかというと、ずばり、サラリーマンを辞めました。
女性管理職サラリーマンが会社を辞めることを決めた|理由ときっかけ
簡単ではないけど、今回、ADHDの娘の進学に際し、在宅での仕事に切り替えていなかったら、正直ノイローゼになっていたと思います。
大変なことも多いけど、ひとまず今は、決断してよかったなと思っています。