私がパニック障害を克服して5年が経ちました。
外見からはまったくそんな障害を抱えているとは見られず、人の誘いを断るのも辛くて無理をし続けていました。
とうとう日常生活にもかなりの支障が出始めた頃、会社を時短にし、周りにカミングアウト。
3年にわたる辛い時期でしたが、試行錯誤を繰り返し、東洋医学にも助けられながら、なんとか自力(精神科の薬なし)で治し、今は元気に生活できるようになりました。
症状や克服法は人それぞれですが、少しでも今も辛い思いをしている人の参考になれば幸いです。
パニック障害とは?
パニック障害には、動悸やめまい、吐き気や不安感(窒息感)、手足の震えなど様々な症状があります。
人によって症状の強弱はありますが、普段は周りから症状があるようにわからず、本人だけがつらい思いをしていることが多くあります。
パニック障害の発症と原因
パニック障害の発症するタイミングや原因は人によって様々です。
自分自身は原因となるものがわからないことも多く、そのために「何をどう治したらいいの?」とますますつらくなっていきます。
私も、最初は原因がわからず、甲状腺の病気や胃腸、脳の病気など、病院を転々として原因を探していました。
パニック障害の症状
あくまでも私の場合ですが、ある時期からなんとなく冷や汗と気持ち悪さがあるなぁと思う程度。
結婚間近だったので、妊娠したのか!?と思ったりもしていました。
それがだんだんとひどくなり、おなかがすかない、食べようとすると気持ち悪い、ひと口食べると冷や汗。
調子がいいなと思って食べるとおなかをひどく壊す。ということが繰り返すようになりました。
その後、調子が悪いと思うと冷や汗、動悸、めまいが起き始めるように。
当時、仕事で営業に出たり電話でお客様と話すことも多かったのですが、途中でふらふらしたり気持ち悪くなったりが増え、仕事にならなくなってきました。
大好きだったお酒も、家では飲めるのに、外食をしようとするとお店に入った途端に冷や汗とめまい。
スーパーに行っても並んでいる間にふらふら。
日常生活がままならなくなり、一時的に時短勤務にしてもらいました。
体調の変化が起因に?
今思えばですが、私の場合は、この体調の変化がパニック障害の起因になったのではと思っています。
もともと胃腸が弱かったということもありますが、その当時はしょっちゅう胃腸を壊していました。
(もしかしたらそれが既にパニック障害の症状たったのかもしれませんが)
おなかが痛くなるかも(トイレが近くにないと怖い)
気分が悪くなるかも(人の前で吐いてしまったらどうしよう)
倒れたら…(どうしようどうしようどうしよう)
この不安感が徐々に強くなり、体調もさらに悪化して、悪循環のループが止まらなくなったのです。
これが、診断された結果、パニックの中でも「不安障害」にあたる、とのこと。
自分でコントロールできない
私の場合、周りからは図太く明るい性格に見られていてw
目標に向かってガンガン進んでいくタイプ。
仕事も大好きで、出張も喜んで!な人間です。(気持ちの上では)
見た目は「元気そう、悩みなさそう」としか言われませんw
(ほんとは繊細な部分あるのに!!(笑))
そんなわけで、当時も仕事も最高に楽しい時期でしたし、結婚間近で楽しいばっかりだった時です。
体調不良の原因を探るため、胃腸、脳、甲状腺と、可能性のあるものはとことん調べまくりました。
精神的なものなわけがない、と思っていました。
しかし、何を調べても原因不明。
どこに行っても「精神的なものでしょう」と言われる。
調べて調べて、「パニック障害だな」となったわけです。
自分は頑張りたいのに、ツライことなんてないのに、コントロールできない。
これがパニック障害です。
周りの声や目を気にしすぎる
性格的な面でもうひとつ言うとすれば、周りの声や目(評価)をとても気にするタイプではあります。
もっと頑張らなきゃ、もっと楽しまなきゃ。という気持ち。
ミスをしたくない、かっこよくありたいという気持ちも強いほうです。
体調が悪くなったとき、一番気にしていたのは、自分が元気じゃないことを人に悟られたくないということ。
人前で倒れたり漏らしたりしたくない、という気持ちは誰しも強く思っていると思いますが、それがパニック障害に強く働いたように思います。
こんな電車の中で気分悪くなったらどうしよう。恥ずかしい…怖い…。
心配させるから、調子の悪い顔を親に見せたくない。
会社のみんなに「大丈夫?」って気を遣われるから、体調の悪い顔はしたくない。
そうやって周りの目を気にしていたことも症状を強くしていった原因だと思います。
不安を解消するために常に持っていたもの
常に、倒れないか、人までおなかを下したり嘔吐してしまったりしないかと心配していましたが、実際にそういったことが起こることは私はありませんでした。
症状的には弱いほうだったのかもしれませんし、これが精神的なもの、というところなのかもしれません。
パニック症状がひどく出ていたのは3年間ぐらいだと思いますが、本当につらかった。
大好きな仕事もまともにできない、外食もできない。
体調が悪いことを悟られたくなくて、大好きな両親とごはんを食べるのも避けていました。
自分は一生このまま生きていくのかと、毎日絶望していました。
そんな私が少しでも不安を解消するために常に持っていたもの
- ビニール袋
- ミンティア
- 救心
人それぞれなので参考にならないかもしれませんが(笑)
ビニール袋は気持ちが悪くなってしまっても、人前で粗相しない!という意味で持ち歩いていましたが、これがあるとないとで安心感は大きく違いました。
また、胃腸の調子やめまいに悩んでいましたが、胃が気持ち悪くなるとミンティアを口に入れ、めまいが起きると救心をすぐに飲んでいました。
ほぼ克服した今でもこの3点セットがないとそわそわして買ってしまいますw
パニック障害は治る?
一生この状態で楽しいことを2度とできず過ごしていくんだと毎日絶望的な気持ちでいた私ですが、あれから7年、前と同じように仕事、旅行、外食ができています。
何よりも嬉しいのが、家族と楽しく食事ができるようになったこと。
胃腸は相変わらず弱いですし、今日は調子が悪いなと思うことも時々ありますが、以前のようなパニック状態になることはありません。
必ずしも治る!とは言い切れませんが、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
精神科で処方された薬は飲むべき?
まず、精神科クリニック(心療内科)で診断されたとき、薬は断りました。
※あくまでも私の症状の場合です。
私の場合、ミンティアや救心のように、調子が悪くなると飲む、飲まないと不安になる、というのがわかっていたので、薬を飲むようになったら間違いなくやめられなくなるなと思っていたからです。
まずは他の方法で治してやる!と思っていました。
薬と上手に付き合える人や、飲み方や量などをきちんと調整してくださる良いお医者様に出会える方はいいと思います。
しかし、実際に知人で、どんどんお医者様が強い薬に変えていき、薬漬けになったという人も数人聞いているので、気を付けないといけないなとは思います。
漢方と対処療法
私が今の状況になれたのは、漢方と対処療法のふたつが大きかったかもしれません。
漢方は、自分の症状に合わせて処方してもらう、漢方薬局に通いました。
1日分が400円と少し値が張りますが、自分の体調や気分によって薬を変えてもらい、胃腸の調子やめまいが徐々によくなってきたことで、時間はかかりましたが好転していったように思います。
また、荒療治ではありますが、自分の調子が悪くなることを「わざと」やる。ということをしていました。
今の主人にお願いし、「つらくなったらすぐに帰らせて欲しい」と伝え、外食に行ったり、スーパーには人の少ない時間帯を狙い、商品を1品ずつ買う、など。
電車もひと駅ずつ乗ったり、トイレがある場所を把握しておいて少しずつ外出を増やすということもしていました。
そうすると、まずは主人とふたりであれば、外に出られることが増えてきて、徐々に徐々に体が元通りになってきたという感じです。
さらっと言いましたが、一番ひどいときから調子が整ってくるまで、2~3年はかかりました。
周りにカミングアウトすることが大切!
主人と一緒なら調子が良くなった=体調を理解してくれる人が一緒だと調子がいい
ということで、少しずつ自分の体について周りに話すようにしていきました。
両親に、実はこんな症状があって、食べれなかったりするけど心配しないでね~、食べれるときは食べるよ。
とか、
会社の人や友達に、実はこういう症状で苦しんでて、つらいときは無理せず言うようにするね。
とか。
周りからは「そんなふうに見えない」と驚かれましたが、調子の悪い日に「調子が悪い」とカミングアウトすることで、無理をする、ということがなくなり、気持ちがとても楽になりました。
調子が悪いことを周りに気付かれないようにするという気持ちが、自分の症状を強くさせていたんだなと思います。
パニック障害は長い闘い!ゆっくり自分らしくを心がける
私のように原因を追究したり、対処療法をしてみたりというのも難しい人も多いと思います。
会社や家族に理解があってできたことでもあります。
薬を飲んだからといって急に治るものではありません。
明日急に改善するというものでも残念ながらありません。
パニック障害はとてもつらく、先の見えないトンネルの中にいるような気持ちになりますが、自分を責めず、でも諦めず、ゆっくりひとつひとつ進んでいくといいんじゃないかなと思います。
まとめ
パニック障害とひとくちに言っても、原因も症状も様々です。
パニック障害を抱える人の環境もみんな違うので、こうしたら治るよというのも違うとは思います。
お医者さんもいろいろな経験を経てアドバイスくださったり治療してくださったりしますが、本当に同じ気持ちで話ができる人と出会えることも治療のひとつになるのではと思っています。
私、パニックだったよ、今も体調悪いときあるよ、でも今元気に過ごしてるよと伝えることで、誰かの支えになれるならいいなと思っています。